労働分配率とは
労働分配率とは、企業が生み出した付加価値のうち、どの程度労働者に対して還元されているかを示す指標である。計算式は、「人件費/付加価値」で算出され、残りは、資本分配として会社に残る。例えば、企業が生み出した付加価値が100万円で、労働分配率が60%であれば、60万円が労働者に主に給与として還元され、残りの40万円は、会社に残ることになる。
労働分配率の平均
中小企業庁が発表しているデータで、中小企業における全産業の労働分配率は、以下の通り68%程度で推移している。
- 平成28年度(2016年度):68.58%
- 平成27年度(2015年度):68.32%
- 平成26年度(2014年度):68.62%
付加価値率
そもそもの計算式に組み込まれている「人件費/付加価値」である、付加価値は、売上高に対して、どの程度付加価値を生み出すかを示す指標で、付加価値率というものがある。これは、「付加価値/売上高」で算出することができる。
上記の労働分配率と同じ時期の中小企業の付加価値率は、以下の通りである。
- 平成28年度(2016年度):25.23%
- 平成27年度(2015年度):24.96%
- 平成26年度(2014年度):24.49%
実際に分配された金額
中小企業全体の数値
- 平成28年度(2016年度):492兆5,728億円×25.23%*68.58%=85兆2286億円
- 平成27年度(2015年度):485兆1,986億円×24.96%*68.32%=82兆7393億円
- 平成26年度(2014年度):493兆0,291億円×24.49%*68.62%=82兆8,537億円
中小企業一人あたりの単純計算
- 平成28年度(2016年度):85兆2286億円/26,669,255人=319.6万円
- 平成27年度(2015年度):82兆7393億円/27,348,060人=302.6万円
- 平成26年度(2014年度):82兆8,537億円/ 27,843,944人=297.6万円
全ての産業が対象であり、単純計算したものではあるが、実際の自分自身のおかれている状況と見比べてみて、これは多いのか少ないのかを個別に判断すべきである。
当然、これから伸びていく産業・業界、斜陽産業、その他以前から高い水準の労働分配率を保持している産業・業界とあり、それぞれで数字は大きく異なる。