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経理のスキル向上と面接対策の例文|面接プラン作成時に気をつけるポイントも紹介

更新日 2023/05/15

経理は日々の帳簿の整理や書類の作成、そして給与や税金に関する業務を担当する職種です。今回は、経理のキャリアをどのように発展させるかを詳しく説明し、経理の経験を活用できるキャリアチェンジの選択肢についても解説します。

経理職のキャリア進展の方法

経理職のキャリアパスは、経理に関わる全ての人それぞれに存在します。それぞれが異なるキャリアプランを描くことができますが、特に重要なキャリア進展の例は、以下の5つが挙げられます。

  • 経理職のキャリア進展の例
    • 経理助手からのスキル向上
    • 同じ職場での上級職を狙う
    • 大手企業や外資系経理への転職
    • 会計事務所等での個人事業主としての独立
    • 外資系企業への転職


キャリアパスを見直すきっかけはさまざまで、特に女性の場合、結婚や出産を契機にキャリアアップを目指す転職を考える人も少なくないです。

経理アシスタントからスキルを向上させる

経理の職務経験がない場合でも、経理アシスタントとしてキャリアをスタートすることが可能です。具体的な業務を通じて、経理の基本的な作業(出納、起票、記帳、集計など)を学び、自身のスキルを高めていきましょう。経理アシスタントとしてのスキル向上の目指すべき具体的なレベルは以下の3段階に分けられます。

スキルレベルと習得目標の業務

レベル

説明

1

日々の経理業務〜月次終了の補助

2

月次決算の全プロセス

3

年次決算の全プロセス

これらの業務を一通りこなす能力があれば、キャリアのさらなる成長のチャンスが広がります。なお、年次決算を任されるまでには、通常「最低でも3年以上の実務経験」が必要とされます。また、経理の業務をスムーズに理解し、スキルを段階的に向上させるためには、以下の資格の取得も推奨されます。

  • スキルアップにおすすめの資格
    • 日商簿記2級~3級


職場内で上昇志向を持つ

経理アシスタントの職務を卒業した後、経理スタッフとして働くことになります。その上で、同じ職場でのキャリアアップを望むなら、「経理スタッフの上位職種」を目標とします。
経理スタッフの上に立つ職種としては、経理のエキスパートとして現場を統括し指導する「経理主任」、企業の財務や資金管理の全体的な責任を負う「管理職」、そして経理の最高位であり財務戦略の策定に関与する「CFO(最高財務責任者)」などが考えられます。

上位の職種を目指すには、経理・会計に関する適切な知識が必要となりますので、以下の資格の取得もお勧めします。

  • キャリアアップに役立つ資格
    • 日商簿記2級以上
    • 経理・財務スキル検定(FASS)
    • 給与計算実務能力検定
    • ビジネス会計検定試験
    • 財務報告実務検定
    • プロフェッショナルCFO資格試験


大規模企業へのキャリアチェンジ

大規模企業では、中小企業よりも経営規模が大きく、経理業務も多岐にわたり、それに伴い内容も複雑化します。例えば、決算報告、株主総会の準備および運営など、中小企業では手がけない業務も担当することがあります。そのため、業務内容が細かく分割され、専門化されることが多いです。

大規模企業の経理職への転職を検討する際は、経理の知識と経験のほか、専門性をアピールできると有利です。そのため、大規模企業へのキャリアチェンジを考えている方は、以下の資格の取得を検討すると良いでしょう。

  • キャリアアップに役立つ資格
    • 日商簿記2級以上
    • 経理・財務スキル検定(FASS)
    • 給与計算実務能力検定
    • ビジネス会計検定試験
    • 所得税法能力検定
    • 法人税法能力検定
    • 消費税法検定試験
    • 税理士(一部科目合格でも評価されます)
    • TOEIC


以上のような資格は、大企業の経理部門で働く際の知識とスキルを証明し、専門性を強調する助けとなります。これらの資格を持つことで、大規模な組織での経理職における競争力を高めることが可能です。

独立して会計事務所を開設

経理職の経験を活かして自立し、独立開業を考える場合、関連する国家資格の取得が有効です。具体的には、「税理士」の資格を取得すると、納税者の相談に乗り、また納税者を代理して税務申告を行うことができます。また、「公認会計士」の資格を持てば、企業の監査業務を担当できます。さらに、自身の税務経験を活かし、コンサルティングを提供したいのであれば、「中小企業診断士」の資格取得も選択肢の1つです。

  • キャリアアップのためのおすすめ資格
    • 税理士
    • 公認会計士
    • 中小企業診断士


外資系企業へのキャリア移行

外資系企業に転職を考える場合、経理・会計の知識はもちろんのこと、「英文経理」が可能なレベルの英語力が求められます。つまり、財務諸表を英語で作成できる能力が必要です。また、経理・会計業務は日本の基準だけでなく、アメリカの会計基準や国際会計基準(IFRS)に基づくこともありますので、それらに関する学習と資格取得も重要となります。

  • キャリアアップのためのおすすめ資格
    • 米国公認会計士(USCPA)
    • 国際会計検定(BATIC)
    • 国際会計基準検定(IFRS)
    • 国際英語能力検定
    • TOEIC
    • TOEFL


理職の経験を新たなフィールドで活用

経理職での経験とスキルは、そのフィールド内での昇進だけでなく、他の職種への転身にも役立ちます。これは「キャリアチェンジ」であり、経理の経験を生かして新たな道を探ることが可能です。以下に、経理の経験が活用できるキャリアチェンジの例をいくつか挙げます。

・経理の経験を生かすキャリアチェンジの選択肢

キャリア 役割と業務内容 推奨される資格
公認会計士 監査、会計、税務、コンサルティング業務 公認会計士資格
税理士 税務代理、税務書類の作成、税務相談 税理士資格
英文経理 アメリカの会計基準や国際会計基準(IFRS)に基づく経理業務 米国公認会計士(USCPA)、国際会計検定(BATIC)、国際会計基準検定(IFRS)、TOEIC、TOEFL
財務責任者 企業の資金管理、資金調達、予算管理 ビジネス会計検定試験、 経理・財務スキル検定(FASS)
経営企画・コンサルタント 経営計画の作成、財務状況の改善 中小企業診断士、公認会計士
投資家関係(IR) 投資家や株主への情報提供、広報活動、株主総会の運営 IRプランナー(CIRP)

経理経験を活かした多彩なキャリアチェンジ

経理職には多岐にわたるキャリアパスが存在します。現職場内で昇進を目指すだけでなく、大手企業や外資系への転職、あるいは資格を活かした独立開業も選択肢となります。未経験者でも、経理アシスタントをスタートポイントに、実務経験を積みながらスキルを磨くことが可能です。さらに、経理の経験を生かし、異なる領域へのキャリアチェンジも視野に入れることができます。経理職は、これらのように多様なキャリア展開の可能性を秘めています。

ただし、スムーズなキャリアアップやキャリアチェンジを図るためには、求職活動における職種のアンマッチを避けることが重要です。その点にはくれぐれも気をつけましょう。