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経理志望の理由の書き方|経験者と未経験者それぞれの志望理由のサンプル文

更新日 2023/05/31
経理の仕事とは何かと言えば、日々の取引を記録し、企業の収入と支出を追跡・管理することです。裏方の役割を果たすことが多いですが、どの会社でもその存在は不可欠です。

では、経理職として求められるのは何か。転職する際に高評価を得ることができる志望理由の具体例を、経験者と未経験者それぞれでご紹介します。

経理職の主な役割とは?

経理の役割は、企業の財務活動、すなわちお金の動きや取引の履歴を記録・管理し、財務諸表を作成することです。財務諸表は、毎年の事業収益やビジネスの状況を示すもので、経営者はこれを参照して売上や資産の状態を確認し、未来のビジネス計画の指針とします。

税務申告を行う際にも、財務諸表は不可欠です。さらに、これらの情報は銀行や株主にも公開されます。このように見てくると、経理は企業の核心を支える重要な役割を果たしているのです。

日常業務としては、入金の確認、経費精算、伝票や帳簿の入力などが主な業務となります。しかし、月末になると、その月の全ての入力内容を確認する作業があります。さらに、年度末には、貸借対照表や損益計算書などの財務諸表の作成が求められます。

多くの企業では、これらの作業を行うための会計ソフトを使用しています。また、外部の会計士や税理士と連携して業務を行うことも多く、専門家との接触が頻繁にあります。経理は財務を取り扱う重要な職務であり、高度な専門知識が求められます。

経理職で必要な人物の特徴

経理は金融に関する業務で、日々の作業には責任感と誠実さが求められます。数字をキーボードで入力する作業が多く、一つのミスが全体の業務に影響を及ぼす可能性があります。

このような責任感と緊張感が伴う職種のため、人によっては向いているか向いていないかがハッキリ分かれます。計算や整理整頓、管理業務に自信がある人は、経理の仕事に適していると言えます。

慎重さと正確性を持つ人

経理の業務は、さまざまな書類から数値を抽出し計算する、粘り強さと根気が必要な作業が多いのが特徴です。業務への適性だけでなく、人としての特性も重視されます。責任感を持ち、慎重に仕事を進め、何度も確認しながら作業を行う人が、経理の仕事に適しています。

専門的な経理の知識は経験を積むことで身につけられます。経理の採用面接では、人間性を評価されることを念頭に置いてください。

資格や経験があるとより良い

経理は金融を取り扱う高度な専門性を要する仕事です。即戦力を期待する企業では、経験が重視されることがありますが、経験がない人でも経理の仕事に就くことは可能です。資格の中では、特に簿記の知識が役立ちます。資格がない場合でも、最低限の簿記の知識を理解しておくと良いでしょう。

ほとんどの経理業務では会計ソフトを使用しています。ソフトの種類によって操作方法は異なりますが、基本的な原理は同じです。会計ソフトの無料体験版を試してみるのも良いかもしれません。

経理業務に有用な資格やスキル

  • 簿記
  • 会計ソフトの操作能力
経理への志望動機の表現方法 単に経歴を見ただけでは、個々の性格や雰囲気を把握することは難しいです。あなたがどのような人物で、経理という職種において何を達成したいのかを明確にするのが志望動機の役割です。志望動機はまるで企業へのラブレターのようなもの。その内容をじっくりと検討することが重要です。

人事部門が「この応募者に面接で会ってみたい!」と感じるような志望動機を綴るための主要なポイントは以下の通りです。

経理職への志望動機を表現するポイント

  • 経理に就きたい理由を明確にする
  • なぜその会社で働きたいのかを明示する
  • 自分がどのように貢献できるのかを具体的にする
  • 必要とされる人物像に合った自分の強みを探す

経理で働きたい理由をはっきりさせる

自分がなぜ経理という職種に興味を持つのかを深く考えることが必要です。自分の性格に合致している、専門的な知識を活かせるなど、経理職に志望する理由は人それぞれです。

その理由を自己分析する方法としては、ノートに書き出すのが一般的です。自分の過去を反省し、可能な限り詳細に書き出してみてください。また、付箋に書いてから並べ替えるという手法もあります。

その企業で働きたい理由について

経理はどの企業にも存在する必須の部署なので、仕事への志望動機だけでなく、その企業で働きたいと思う理由を深く掘り下げてみてください。

企業の待遇や福利厚生に引かれたという理由はあまりに直訴すぎます。むしろ経営理念、企業文化、業務内容などから魅力を見つけ、何に感動したのかを具体的に述べてください。こうした詳細を述べることで、企業に対するきちんとしたリサーチを行ったことをアピールできます。

自分がどのように貢献できるか

企業が最も知りたいのは、「応募者がビジネスにどれほど貢献できるか」です。自分が何を成し遂げられるのかを具体的に示せれば、企業側は採用後の業務に対するビジョンを描きやすくなります。

経理の経験がない場合でも、これまでの職務経験から経理業務に役立てる要素を見つけることが可能です。前述した「経理職で求められる人物像」を参考に、具体的なエピソードを織り交ぜながら書くと良いでしょう。

求められる人物像に基づく自分の強み

企業ごとに求める人材像は異なるため、企業の採用情報やパンフレットなどを確認し、きちんとリサーチしておくことが大切です。業界や企業の調査を行った上で、自分の長所から何をアピールすべきかを選択することで、他の応募者との差別化が可能です。

大企業や上場企業の場合、公式ウェブサイトのIR情報をチェックすることで、その企業の経営戦略を理解することが可能です。IR情報とは、企業が株主へ向けて公開している財務関連の情報です。

経理職志望の理由の例文

経理職への志望動機の例を、経験者と未経験者それぞれで紹介します。

経理経験者の志望動機の一例

過去5年間にわたり、伝票の入力や決算書の作成といった経理の仕事に幅広く関わってきました。今後は財務分野の業務も経験したいという願望から、転職を決心しました。貴社では経理部署で財務に関わることができると理解しており、これまでの経験を活かしつつ新たな挑戦を行うことができると思い、応募することにしました。私の目指すのは、経営に直接的に貢献できる経理の専門家です。貴社が東証一部上場を目指すとともに、海外展開や新規事業の立ち上げなど積極的に事業を拡大していることを知り、そのような環境で自分自身を更に成長させ、会社の成果に寄与できるよう全力で努力していきたいと思います。

まず、これまでの業務経験を具体的かつ短く明記します。その後、「転職を決意した理由」「目指している未来」「その会社を志望する動機」「その会社でどのように活躍したいか」について、一貫性を保ちつつ述べます。

経理未経験者の志望動機の一例

私は貴社の安全な野菜作りへの情熱と、独自のブランディング戦略に深く感銘を受けています。私自身、過去4年間、総務事務として働いてきました。精確に仕事を積み上げていく過程に満足感を感じていましたが、コロナウイルスの影響で3ヶ月前に退職し、その後、専門的なスキルを身につけたいと思い、経理への興味から業務に注力してきた経験を、経理の職場でも役立てたいと思っています。この度、地元に戻る決定をした際に、地元の特産品である野菜の栽培を通じて地域の農業を活性化させるという貴社の活動を見て、経理としてその一部になりたいと感じ、応募することにしました。

前職でのスキルや経験、そしてなぜその会社で働きたいのかという理由を、明瞭に表現します。さらに、「簿記3級を取得」のような資格の取得や具体的な取り組みがあれば、それを含めると良いでしょう。「自分が積極的に行動を起こしている」ということを伝えることで、意欲的な姿勢をアピールできます。

志望動機は明確かつ簡潔に表現

経理は、前経験や特定の資格を必要とせずに始められる職業であり、キャリアの拡大や次の職への移行にも適しています。志望動機を述べる際には、自身がどのように経理の立場から企業に寄与できるかを、明確かつ簡潔に表現することが重要です。紹介した例文を参考にしていただきながら、自分だけの独自の志望動機を作り上げてみてください。