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経理の仕事の魅力ややりがいとは?|向いている人の特徴や必要なスキルと資格を解説

更新日 2023/05/30
経理は、事務系の職業の中でも人気があります。しかしながら、経理の魅力や仕事の具体的な内容について十分に理解していない方も少なくないかもしれません。今回は経理の具体的な業務、魅力などを解説します。経理がなぜ人気なのかを理解したい方、または自身が経理という職種に適しているかを探りたい方などにとって、参考になる情報をお届けします。

経理の仕事内容

以下に、経理の主な仕事内容を挙げます。

  • 現金と預金の管理:預金と現金の出入金及び残高を確認し照合
  • 伝票の記録:取引により発生した仕訳を伝票に記入し、その証拠書類を保管
  • 集計と文書作成:受注、売上など業務から得た情報を会計システムに入力し集計し、領収証や請求書など必要な書類を作成
  • 給与に関する業務:社員の給与やボーナスの計算を担当
  • 税金に関する業務:社員から預かった源泉所得税、社会保険料、住民税などの支払い、年末調整による社員の所得税の確定、そして法人税、地方法人税、消費税など会社に関連する税金の支払い

経理の職は未経験でも可能?

専門知識が必要とされる経理の仕事は、難しいと思われるかもしれません。しかし、業務内容によっては、初めてでも対応できるものもあります。大企業の場合、経理の業務は詳細に分けられているため、広範囲の知識は必要とされない業務もあります。また、研修を受けることで、経験がなくても十分に働けるようになるでしょう。

一方、小さな会社では広範な経理業務が求められることが多く、未経験者には挑戦しにくいかもしれません。初めて経理の仕事を探す場合、業務が詳細に分割されている大企業を優先的に探すことをおすすめします。

経理部門と財務部門の違いは?

経理部門と財務部門は、いずれも財務を扱う部門ですが、業務内容には明確な違いが存在します。

経理と財務の業務内容

  • 経理部:お金の流れの管理
  • 財務部:資金調達や予算の管理、資金運用
経理部門は、企業資産の現状を理解するための仕事を担当し、財務部門はその現状を基に資金繰りなどの将来志向の具体的な仕事を行う部署です。大企業では、多くの場合、財務部門が設置されていますが、中小企業では経営部門が財務の役割を果たすことも少なくありません。財務の考察を行うためには、経理文書などの書類が必要となるため、経理部門と財務部門は密接な関係を持つことが考えられます。

経理の楽しさと魅力

どの会社でも経理部門は不可欠な存在です。経理部門が存在するおかげで、企業は資金の流れを理解し、正確なビジネス判断を下すことができます。それでは、経理の楽しさと魅力について見ていきましょう。

経理の楽しさと魅力

  • 高い汎用性と専門性を持つスキルを習得できる
  • 他部署のメンバーから感謝される機会がある
  • 経営層に近い位置で仕事をすることができる

高い専門性と汎用性のスキルを習得できる

経理の仕事は高度な専門知識を必要とし、どの企業でも必要とされるさまざまなスキルを習得できます。企業によって仕事内容は少し違うかもしれませんが、会計システムの操作や簿記の技能は、どこでも使える普遍的なスキルです。さまざまな経験を通じてスキルを磨き、転職を通じてより良い条件の会社への移動が容易になります。

習得できる具体的なスキル

  • スケジューリングスキル:日々の経理業務だけでなく、月次や年次など全体の見通しを立てる計画作り
  • 客観視能力:お金の動きを分析することで、会社全体を客観的に見る視点
  • 英語の経理スキル:海外事業を持つ企業や外資系企業の経理業務を担当することで、英語での経理スキルを習得

社内から感謝の言葉がもらえる

経理は、金融管理を通じてさまざまな部署をサポートし、その結果として他の部署から感謝を受けることが多々あります。しっかりとした経理管理のおかげで、他部署は自身の仕事に集中できるわけです。

例えば、取引先からの入金が遅れていることを把握した際、経理部はすぐに営業部に調査を促すことが求められます。もし調査結果として取引先の経営状況が厳しくなっていることが明らかになれば、入金方法を見直す等の対策が可能となり、会社の損失を防ぐことができます。こうした役割から見ても、経理は会社のリスクを軽減する重要な部署であり、その仕事には大いなる達成感が伴うことでしょう。

経営層に近い位置で活躍できる

毎日のお金の流れは企業経営に直結していますので、経理は経営層と密接な関係で働くことが多くあります。経営会議で経理の視点からの意見が求められることもあり、その際には予算などを元にした解決策を提案することがあります。

提案された解決策が採用されて、企業が抱える問題の解消に繋がった場合、その達成感は大きいでしょう。全体の状況を客観的に視ることができる経理は、企業にとって不可欠な存在となり、そのポジションで活躍することが可能です。

経理職が魅力的な理由とは?経理職で働くメリット

事務職の中でも、経理職は一際人気の職種となっています。なぜなら、経理職には充実感だけでなく以下のようなさまざまなメリットがあるからです。

経理職が人気の理由

  • どの業界でも必要とされる
  • 基本的な仕事内容が共通している
  • 求人の数が多い
  • 専門資格を持つと評価が上がる
経理職においては、どの業界にも対応可能なスキルが身につき、転職も容易であるというメリットがあります。以下ではこれらのメリットについて詳細に解説しますので、経理職の魅力について探ってみてください。

どの業界でも活躍できる

経理は、あらゆる業種で必須とされる部門であるため、就業の選択肢が多彩です。その結果、幅広い種類の企業で自分の能力を発揮することが可能となります。

たとえば、社会の変動や特定の業界の景気低迷が自身の職場に影響を及ぼしたとしても、経理のスキルを持つことで、他の業種への転職が可能であり、より景気の良い業界で働くことができます。経理としての技能と経験を持つことで、経済の動きや自身のライフスタイルに応じて、多種多様な業界で働き続けることが可能となります。

基本的な仕事の内容は共通

異なる業種であっても、経理として必要な知識や業務内容は基本的に共通しています。会計報告書の作成や帳簿の記録など、基本的な経理スキルを持っていればどの会社でも対応可能です。これが、異なる業界の会社にもスムーズに転職できる大きな利点の一つです。

もちろん、企業の規模によっては、業務の内容や規則が異なることもあります。しかし、全く新しい業界の知識を一から学ぶよりは、業務内容に多くの共通点がある経理のほうが、転職後の適応がよりスムーズになることでしょう。

豊富な求人が存在する

全ての業界で欠かせない存在である経理は、他の職業と比べて求人数が豊富です。

求人が多いということは、自分の求める条件に一致する会社を見つけやすいというメリットがあります。年収はもちろん、労働時間、年間休日数、福利厚生の質など、あらゆる面を考慮しながら最適な職場を選ぶことが可能となります。

資格を持っていれば評価が高まる

経理の仕事には必ずしも必要とされない資格も、簿記資格や会計士、税理士などを持っていると、高く評価されることが多いです。それは、資格を取得することにより深い知識を有していることが証明され、また、そのために費やした努力や成長志向が評価されるからです。転職やキャリアアップ、昇給に有利なだけでなく、一部の企業では資格手当も支給されます。

その専門性が高いことから、資格取得に向けた取り組みが適切に評価されるのが経理の大きな特徴です。経理としてのキャリアを考えるなら、資格取得も視野に入れると良いでしょう。

経理業務に適した人の特徴

経理の仕事を充実したものと感じるかどうかは、仕事内容が自分の性質や能力にマッチしているかに左右されます。一般的に、経理職にフィットするとされる方の特徴を以下に挙げます。

経理業務に適した人の特徴

  • 計画的に行動する人
  • 強い責任感を持つ人
  • 数字への抵抗感がない人
  • コミュニケーション能力に優れた人

計画的に行動する人

経理業務は、日常の財務管理に加え、月次や年次の業務も含まれます。給与支払いや税金納付など、期限が設定されたタスクが多いので、全ての作業を計画的にスムーズに進める能力を持つ人が経理職に最適でしょう。

期限の定まった業務に対応できない可能性があるため、ただ短期的な視点で仕事を進めるだけではなく、長期的なスケジューリングを考える能力が必要です。それがなければ、経理の仕事は難易度が高くなるでしょう。

強い責任感を持つ人

経理部門では企業の財務を扱うため、強い責任感が求められます。お金の管理には、一定の緊張感が伴います。中途半端に作業を放棄したり、ミスを起こしたりする可能性があるため、仕事を全うする能力と責任感が求められます。

経理を採用する際、企業はスキルだけでなく人間性も重視します。そのため、企業の財務を適切に管理できるだけの責任感があることを示す必要があります。

数字への抵抗感がない人

経理では、会計ソフトを使用した仕訳作業、決算書の作成、給与やボーナスの計算など、さまざまな場面で数字と向き合う必要があります。複雑な数学の知識は必須ではありませんが、数字に対する抵抗感があると業務中にミスを引き起こす可能性があります。

データ集計や分析に長けている人は、経営陣からアドバイスが求められた場合にも対応しやすくなるでしょう。数字を精確に扱い、高い集中力で業務を遂行する人こそ、経理職に適しているといえます。

コミュニケーション能力に優れた人

経理は一人で黙々と数字に取り組むイメージがありますが、実際には優れたコミュニケーション能力が求められる職種です。他部署から提供されるデータをまとめる時や、各科目の担当者と協力して財務諸表を作成する際など、社内のメンバーとの円滑なコミュニケーションが不可欠です。

また、取引先との請求書の確認など、社外との対話が必要な場面もあります。相手の意図を理解し、自分の考えを効果的に伝達するコミュニケーションスキルがあると、業務をスムーズに進行させることができます。

経理に未経験から挑戦したい方におすすめの資格とスキル

経理は初めてでも始められる職種です。特定の資格が必須というわけではありませんが、資格やスキルを持つと転職活動がスムーズに進むでしょう。以下に挙げる資格とスキルは、経理を目指す人に特におすすめです。

経理に挑戦したい方への推奨資格とスキル

  • 簿記検定
  • 給与計算検定
  • ビジネス会計検定
  • ファイナンシャルプランナー
  • マイクロソフトオフィススペシャリスト

未経験者から始める経理職

経理の職務は、現金や預金の管理から伝票の記入まで多岐にわたります。未経験者が全ての業務に対応するのは困難なため、最初は各業務が明確に分割されている大企業での実務経験を積み、そこからスキルアップを目指すのが良いでしょう。

経理の特長として、汎用性が高く、かつ専門的なスキルを習得でき、経営層に近い位置で働く機会があるといった点があります。計画的で責任感があり、数字に対する抵抗がない人が経理に適していると言えます。必要な資格やスキルを身につけて、経理の仕事を目指してみませんか。